書評・映評

2010年5月 6日 (木)

「第9地区」

日曜日に渋谷の映画館に観にいったのですが、連休真っ只中というのに、お客さん20人くらいしかいないガラガラぶりでビックリしました。

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さて、この映画。

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南アフリカはヨハネスブルグの上空に巨大なUFOが現れ、それに乗っていた何百万人もの醜悪なエイリアンが難民としてスラム地区に収容されるという突飛な設定のなか、エイリアンを強制移住させる仕事に従事する平凡な主人公が、エイリアンに変身するウィルスに感染してしまい国から追われることに。やがてエイリアンの子供などと交流をもつうちに、エイリアンを弾圧する白人の傭兵軍や黒人のギャング団との戦いに駆り立てられていく、というお話。

ストーリーだけだと、先日大ヒットした「アバター」と似ているようですが、「アバター」が綺麗なおとぎ話だったのに対し、こちらは露骨なまでにアパルトヘイトなどの人種差別を連想させるリアルな映像。

前半のドキュメンタリーのような作りに対し、後半がただのドタバタアクションになってしまうのが残念、というような批評もあるようですが、僕はそうではないと思います。

人種差別の問題にふだん向き合うことのあまりない日本人には理解が難しいところではありますが、前半のドキュメンタリー的な部分というのは、後半のアクション部分を引き出す為のブラックジョークなのだと思います。

差別主義者も差別に反対する人たちも敢えて笑い飛ばし、家族への愛情や、たとえエイリアンであっても子供を助けたい、と思うような純粋な感情だけが正しい、としたうえで、主人公の行動に意味をもたせていく。本来、アクション映画とはそういうものでよいのでしょう。(いささか、どぎついジョークだとは思いますが・・)

あまり観終わったあとの後味はよくないですが、大人向きのスパイスのきいたアクション映画が好き、という方にはおすすめできる佳作だと思います。

2010年2月14日 (日)

「アバター」

実はこの映画、お正月にも観ようかなとちょっと思ったのだけど時間があわなくて、でもその時は全然混んでる感じではなかったのですが、アメリカで社会現象になるほどヒットしているというニュースが報道された途端、週末は毎回満席になるという混雑ぶり。

僕も根がミーハーなもので、そこまで話題になるとやっぱり観てみたくなって、昨日は朝早く起きて銀座に観にいってきました。

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上映2時間前というのに前のほうの席しか空いてなくて、またビックリです。

いったいどんな凄い映画なんだろうと思ってしまいましたが、実際観てみると、昔ながらのヒロイックファンタジーに宮崎駿とエヴァンゲリオン、さらにハリウッドのアクション映画の要素を混ぜてみました、といった趣き。

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現代社会に生きる主人公が突然異世界の住民に変身してしまい、さらにその世界を救うヒーローになるという発想も、アメリカ人にとっては斬新なのかわかりませんが、アニメやRPGに慣れた日本人にはさほど目新しいものではないと思います。

それよりも、明らかにベトナムを連想させるジャングルに、これまた明らかに米軍を連想させる悪者が侵略していき、それを自然と共生する原住民たちが倒していく、という話しをアメリカ人が受け入れているということに、時代は変わってるんだなあ、と驚きを感じてしまったりします。

とはいえ、こむずかしい話しはさておいても、怪獣がでてきたり人型ロボットがでてきたり娯楽要素もたっぷりで、いろいろ詰込みすぎて消化不良という感じはしないでもないですが、面白い映画だというのは間違いないと思うので、まだ観ようかどうか迷っている人には、ぜったい観ておいて損はない映画だとは言いたいです。

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あと3Dの効果についてですが、風景を描いたシーンなどでは、本当にジャングルの中を飛んでいるような気がして凄い迫力でしたが、キャラクターが動きまわる活劇シーンでは、あまりキャラが画面から飛び出してくるような感じではありませんでした。

これは、まだ技術がそこまではいっていないということなのか、派手にキャラが動くシーンであまり立体的な映像にしてしまうと訳がわからなくなってしまうからなのか、どうなんでしょうね(^^;;

2010年2月 7日 (日)

「オーシャンズ」

前回に続いて映画の記事です。

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世界中の海に生息するさまざまな生き物の姿を描いた記録映画で、なんだか「ダーウィンが来た」の超豪華版、といった感じでしたが、迫力のある映像の連続で楽しめました。

特に映画の前半、イルカの群れに追いつめられたイワシの大群を狙って、海鳥や大型の魚、ついには巨大な鯨までが集まってくるシーンは圧巻。

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実は以前、朝日新聞の天声人語で、この映画を観た筆者が「さまざまな生き物が食べたり食べられたりするこの世界の中で、鯨だけを保護したらどうなるのだろう」と感じた、と書かれていたのを読んで、この映画に興味をもったのですが、命の連鎖、というものについて考えさせられる映画でもあったと思います。

映画の感想とは直接関係ないけど、日本人が鯨を食べることを非難しつづける自称自然保護団体の人たちというのは、日本人を悪者に仕立てることで、我々全ての人間が、自然を壊し生態系のバランスを崩していることから目をそむけているだけなのではないか、そんなことについても考えさせられました。

2010年1月31日 (日)

「カールじいさんの空飛ぶ家」

もうだいぶたってしまいましたが、お正月、北陸旅行に出発する前に東京で夜行列車を待っている時に、時間が空いてしまったので銀座で映画でも観ようと思ったのですが、なんだか今年のお正月映画はあまり観たいと思えるような作品がなく、たまたま上映時間のあったこの映画を観てきました。

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ディズニー制作の3D映画とかって、どうせ子供だましだよなあ。。とか思いつつ、あまり期待しないで観たのですが、これが意外と面白かった。

偏屈なお爺さんが、亡くなった妻と行く約束していた秘境への冒険の旅に出るため、家にたくさんの風船をつけて空に飛びたつ、というお話なのですが、荒唐無稽な話ながら先の読めない展開で、ワクワクさせつつも涙を誘う場面もあり、序盤ではあまり3D映像を強調しない感じだったのに、ここぞという場面では迫力があって、おお、と思いました。

やはりディズニーの子供向け映画は侮れません。

でも、年寄りをネタに使って泣かせにくるのはズルいなあ、とも思う(^^;;

2009年10月 6日 (火)

「カムイ外伝」

昔からの白土三平ファンからは原作のイメージと違うと酷評されていたし、崔洋一監督に宮藤官九郎の脚本とアクの強いスタッフで、ちょっと心配ではあったのですが。。

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原作のいくつかのエピソードを無理クリひとつのお話にまとめていたので、多少無理のある脚本ではあったと思いますが、崔監督やクドカンの色が鼻につくとかいうことは無かったですし、松山ケンイチくん演じるカムイは原作のイメージ通りでカッコよかったし、かなり面白い映画だったと思います。(・・だいたい、原作のイメージに本気で忠実に実写化したら、ホラー映画になっちゃいますよね(^^;;

ラスト近く、敵の黒幕(←黒幕が誰だかはネタばれになるので言えませんが。)との対決で大技を繰り出す場面では、CGになっちゃうのは仕方ないとして、CGがショボくて残念な感じになってしまったのは、それまでの松山くんの殺陣(アクション)が素晴らしく良かっただけに心残りです。。

あと、エロおやじ的には、大後寿々花さん演じる漁師の娘が、海で溺れて死にかけたカムイを裸になって温めて助けるという場面を、台詞でごまかされてしまったのが残念(笑)。

2009年9月26日 (土)

「火天の城」

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熱田の宮大工・岡部又右衛門らが、織田信長の命により安土城を築くまでの苦労を描いた映画。

なにげにけっこう期待していたのですが、人間ドラマとしては薄っぺらいし、肝心の安土城の天守閣を建てるシーンは迫力がないし、いちばんビックリしたのは、大きな石を運ぶシーンでとつぜん忍者が乱入してきたことくらいで(笑)、かなりガッカリでした。

ここ数年に観た映画のなかで、ワースト3にはいるくらいの駄作かも・・

2009年7月 4日 (土)

「トランスフォーマー・リベンジ」

先週に観た「ターミネーター」とロボットものということでちょっと似ているようでもありますが、シリアスな「ターミネーター」とは全然違って、こちらは笑って楽しめる肩のこらない娯楽映画です。

1作目がかなり面白かったので、今回もけっこう期待していたのですが。。

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まあ前作ほどには、特撮シーンにもビックリしなかったし、コメディ部分もそんなに笑えなかったのですけど、まるでゴジラかドラゴンボールか、という王道シチュに期待を裏切らないストーリー展開で、楽しめました(^^)

クライマックスの、ピラミッドの上で戦ったりするシーンは凄かった。

ラストはお約束どおりの、次回作があるぞ(笑)みたいな終わり方でしたけど、次回があったらまた観たいと思います。

2009年6月27日 (土)

「ターミネーター4」

いまを去ること二十数年前、まだ高校生だったトーマは「ターミネーター」1作目を観て、たいへんな衝撃を覚えた記憶があります。でもその後、このシリーズ2作目・3作目とだんだんつまらなくなってしまって残念な思いをしていましたが、やっぱり「ターミネーター」の新作は、ちゃんと映画館で観たいと思いますね。

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そんな訳で、あんまり期待はしていなかった今回の「ターミネーター4」。

まだ抵抗軍の指導者になる前のジョン・コナー、そして廃墟で機械から必死に逃げ回っている少年のカイル・リースの前に、人間の心をもつターミネーターであるマーカスが現れて・・と、これ以上はネタばれになるので話せませんが(^^;;

まったく予備知識をもたずに観たのが良かったのかもしれませんが、前3作とは違ってハードSFのような雰囲気、いままでのシリーズを観ていれば最後にどうなるかはわかっているのに、それでも展開が読めない上手い脚本で、かなり面白かったです。

トーマみたいに、1作目は大好きだけどその後はちょっと・・と思っていた人も、今回は観たほうがいいと思います(^^)

ただ、前半の特撮シーンがかなり凄くて圧倒されてしまったのに、肝心のクライマックスシーンのCGがちょっとショボかったのが残念。。前半のCGにお金をかけすぎて、クライマックスの特撮にかける予算がなくなってしまった「トゥームレイダー現象」と思われます(笑)

2009年5月18日 (月)

「GOEMON」

きっと馬鹿馬鹿しいんだろうなあ、と思いつつ、ついついこのテの時代もの映画は観にいってしまいます(^^;;

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馬鹿馬鹿しいのは思ったとおりでしたが、あまり期待していなかったせいか、けっこう面白かったです。

それにしても、(ネタばれになるのであまり内容は書けませんが)石川五右衛門、強すぎ。五右衛門が暴れるたびに日本の歴史がどんどん変わってしまいます(笑)。

ヒロインの茶々姫役の広末涼子が文句なしで美しければ、もう少し説得力もでたろうになあ。。・・てゆうか、広末さん昔はほんとに可愛かったのになあ。。

・・なんの感想なのかわからなくなってしまいましたが(^^;;、歴史モノが好きで、馬鹿馬鹿しくても笑って許せる心の広い人なら楽しめる映画だと思います。

2009年5月 8日 (金)

「レッドクリフ Part2」

公開からだいぶたってしまいましたが、やっと観てきました(^^;;

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赤壁の戦いが始まるまでの人間模様を描いた前編とちがって、今回の後編は戦闘シーンの連続で迫力がありました。とくに、曹操軍の大船団に、呉軍の船団が火攻めを仕掛けながら突っ込んでいくシーンは圧巻。

人と人との信頼関係が云々とかいうドラマ的なところは、ちょっと説教臭い感じもしてしまいましたが(^^;;、アクションシーンは十分よかったし、三国志好きな人なら楽しめる映画だと思います(^^)